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2009年8月アーカイブ

開発力・技術力を誇った日本の製造業は、新興国企業の追い上げで厳しい状況におかれている。特に電子製品のデジタル化は品質が均一化され、IC化により品質での差別化が薄れ、機能についても市場のニーズがあれば半年~1年程度の後には同じ機能を持つ製品が市場に出回る。そのために機能面での優位性が極めて短期間に失われる。その結果として、消費者は価格を最も重要視して選択する。この様な価格競争力が繰り広げられる市場競争では、低コストを徹底的に追求し、価格競争に打ち勝つ強い製造力が何よりも求められ時代になっている。

今の消費財の製造メーカーは、材料の調達、加工費、賃金などすべてのトータルコストを検討し、最も低コストの国、地域に生産拠点を設け、コスト体質の強化を図らないと市場では生き残れない。この急激に経営環境が変化した時代の中で、日本の大手製造メーカーの経営戦略は、確実に海外生産へと静かにシフトしている。そして、そのシフトする地域は中国、ASEANが圧倒的に多い。このままでは日本製造業の第二次空洞化が限りなく進み、日本経済は大きな打撃を受ける可能性がある。私は、日本と中国を飛び廻って仕事をしており、この危機感は肌で実感している。

経済のグローバル化については誰もが言葉では語る。しかし、そのスピーディーな展開を真に認識する人は少ない。 

  

先に国の長短期の国債残高が860兆円と発表された。余りにも巨大な債務で殆どの国民は実感がない金額である。しかし、昨年の税収44兆円の財政収入に対して、この債務は余りにも途方もない金額である。解りやすく云えば20年先までの税収入を既に使い果たしてしまったのである。一般企業のバランスシートに例えれば、年間売上の20倍の借入金があるのと同じで、例えば年間売上1億円の会社が20億円の借金を持っていることで、正に危機的状況を通り超した過大債務である。しかし、これだけでは終わらない、郵便貯金、簡易保険の預り金のうち国が使い果たし返済しなければならない金額が150兆円程度はある。それに加えて全く返済する余力のない地方自治体が抱える借金が400兆円はあると思われる。

誰がやっても再建不可能な国家財政破綻状態にある。なぜこうなったのか、戦後63年間において一部の例外の数年間を除いて、毎年のように景気対策の名目で税収を上回る財政支出を繰り返してきたことの結果である。この例外が小泉改革の実施期間であった。しかし、この改革も昨年来の金融危機対策の名目で14兆円を上回る特別予算ですべて無駄となった。地方は地方で国家財政を顧みず税収の配分増を求め、国民は国民で福祉関係の充実を求める。すべて国への金の要求である。そして、増税には誰もが反対で増税でもすれば選挙で大きな敗退を招く恐れがあり、口にする者は少ない、そのために増税による財政の収入増加は当分は期待できない。

この財政破綻の再建に果敢に挑戦した唯一の総理大臣が小泉純一郎であった。その彼が今、マスコミの煽動のもとに袋ただきにあっている。過去の歴史において財政を引き締めた政治家は必ず悪者になる。江戸時代に徳川幕府の財政危機を乗り越えるために緊縮財政、倹約政治を果敢に実行し財政を立て直し、徳川幕府の崩壊を防いだ田沼意次は今でも悪家老の代名詞となっている。

多くのマスコミが増税に反対し、緊縮財政に反対し、国家の財政破綻を際限なく拡大する傾向はこの後に及んでも変わらない。今回の選挙でも、金を国民にバラまくことのオンパレードである。財政危機を訴える候補者は皆無に近い。そして又、これを認識して受け入れる国民はそれ以上に皆無に近い。