開発力・技術力を誇った日本の製造業は、新興国企業の追い上げで厳しい状況におかれている。特に電子製品のデジタル化は品質が均一化され、IC化により品質での差別化が薄れ、機能についても市場のニーズがあれば半年~1年程度の後には同じ機能を持つ製品が市場に出回る。そのために機能面での優位性が極めて短期間に失われる。その結果として、消費者は価格を最も重要視して選択する。この様な価格競争力が繰り広げられる市場競争では、低コストを徹底的に追求し、価格競争に打ち勝つ強い製造力が何よりも求められ時代になっている。
今の消費財の製造メーカーは、材料の調達、加工費、賃金などすべてのトータルコストを検討し、最も低コストの国、地域に生産拠点を設け、コスト体質の強化を図らないと市場では生き残れない。この急激に経営環境が変化した時代の中で、日本の大手製造メーカーの経営戦略は、確実に海外生産へと静かにシフトしている。そして、そのシフトする地域は中国、ASEANが圧倒的に多い。このままでは日本製造業の第二次空洞化が限りなく進み、日本経済は大きな打撃を受ける可能性がある。私は、日本と中国を飛び廻って仕事をしており、この危機感は肌で実感している。
経済のグローバル化については誰もが言葉では語る。しかし、そのスピーディーな展開を真に認識する人は少ない。